デザインコンペの功罪
タイトルが仰々しいですが、セブンスグラフィックは、様々な業種のクライアント様よりホームページやロゴ、マーク、印刷物のデザインの制作をさせていただいております。本当にありがとうございます。
セブンスグラフィックは無料でのデザインコンペはお受けしておりません。
無料のコンペに費やす時間があったら、現在お取引させていただいているクライアント様のために時間を使いたいと考えています。クライアント様からご依頼をいただき、打ち合わせに伺い、意図を汲み取ってより良い提案をし、効果のあるデザインに仕上げるために全力で脳を働かせています。
なぜ無料のデザインコンペを受けないのかを、発註側と受注する制作側それぞれのメリットとデメリットを私見でまとめました。
コンペにおいて功の言い分
<発注側のデザインコンペのメリット>
- 複数の応募が集まり、提案の選択肢が増える。
- 一人が決めずに多数で決める。
- 低価格で抑えることができる。
- 新しい制作会社と契約できる。
<制作側のデザインコンペのメリット>
- 今の自分の実力がわかることが出来る。
- 新たな発注者との出会いがある。
コンペに負けてから後日、違う案件をいただいたことがあるのも事実です。
コンペにおいて罪の言い分
<発注側のデザインコンペのデメリット>
- 発注側が想定しているものと違うデザインが多数集まる場合がある。
- いいものがなくても一つを選ばないといけない。
- 選定において効果のあるデザインが選ばれない可能性がある。
<制作側のデザインコンペのデメリット>
- デザインコンペ仕様書だけで打ち合わせができないので、本当の要望が何なのかがわからない。
- 基本的にデザインコンペ費用は決まった制作会社のみに支払われて2位以下の参加者には費用は支払われない。
- 公示から提出までの日程が少ないため、仕様書に沿った無難なデザインを提出してしまう。
発注側と制作側のメリットとデメリットを羅列しましたが、この記事を読んでいる皆様の立場が発注側と制作側で思うことが違ってくると思います。
制作者の当方が伝えたいこと
現在は、費用が発生しないデザインコンペが多く、発注側は決定した制作会社およびデザイナーにはお金を払いますが、デザインコンペで集まった2位以下のデザイン案や企画案は無償で得られるものとなっています。この無償で得られるもの=無料で取られたと感じることが嫌でデザイン案や企画案が他社に利用される可能性があるからです。
思い返すと実際にデザインコンペ提出案での一部を取られたこともあります。15年以上も昔のことと取られた部分が訴えるほどではなかったのですがいい気分ではありません。
そんな採用されなければタダ働きになる背景をわかっている制作者はデザインコンペにどれだけ一生懸命に向き合うことができるでしょうか。しかし、デザインコンペ参加時点で既に仕事受注をしているため、適当な案を提出できずに結果的に無難な置きに行った案を提出してしまう自責のストレスで疲れてしまいます。採用してもらっても後から細部をやり直して、自分で提出した案を修正するという二度手間に陥ります。しかし、制作費が支払われることによりだいぶん救われます。
反対意見として有料ならばいくらで参加するのかと問われると答えに困りますがコンペ仕様書によります。もうひとつ、最初から勝てるデザインを制作すればストレスもかからず幸せになるのですが、デザインコンペ勝率100%の制作会社があるのでしょうか。
以上のことから今も、デザインコンペは制作者の疲弊しかないという思いがあるため、セブンスグラフィックは無料でのデザインコンペはお受けしておりません。
今回の投稿は驕りの気持ちは全くありません、誰かが「こんなしょーもないことは自分のブログで語って」ということを思い出して、この仕事を始めた時からずっと思っていたことを当ブログで愚痴という形で綴ってしまいました。
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